07/09/20(木) 鍋が自由度の高いワケ

 
 
【朝メニュー】
 
【昼メニュー】
自作オニギリ
 
【夜メニュー】
キムチ鍋
 
 
「鍋は好きか?」
ここでイエスと答えた人が、
「鍋の中でも何鍋と何鍋が好きか?」
という次なる質問に進むことが可能。
 
しかし、ノーと答える人はそれほど多くないように思えてならないどころか、
実際目の前に鍋が出されたらむしろ喜んでがっつく人も普通に居そうだ。
つまり、嫌いではないということだ。
それでも、好きだと胸を張るほどでもない。
そんなグレーゾーンな質問にムキになるのはスマートとは程遠い。
かといって無言で居るのは質問に対してあまりにも礼を欠くということで。
よって、グレーな質問にはグレーな回答で臨むのが妥当なのであり、
今風に言えば「別に…」とそっけなく答えるのが正解である。
 
アンケートに存在する「どちらでもない」という選択肢。
5段階評価における3。
玉虫色、オブラート、グレーゾーン金利etc
グレーなエリアをもっぱら好む国民性、ニッポンの姿がここにある。
 
そういうわけだから、本当に鍋が嫌いだと言い切る人間は多くない。
だから「どんな鍋が好きなの?」と聞かれても、案外すんなり答えられたりするのだ。
気の無いフリをしても、人は潜在的に答えを用意しておく抜け目ない生き物だから。
 
ただ、鍋を頻繁に食っていない人間は答えに窮するかもしれない。
鍋と言っても千差万別。そのバリエーションは無限。
それゆえにマスターするのが難しいカテゴリなのだ。
だからそういう人は、必然的にメジャーな鍋の名前を口にしてしまう。
湯豆腐、水炊き、チゲ鍋、ちゃんこ鍋、闇鍋…。
あるいは幼少時に味わった鍋の名を。
あるいはマスメディアがよく取り上げる鍋を。
そしてあるいは人づてに聞いたものを。
だから実は食ったこともないのにちゃんこ鍋と答えてみたり、
実情を知らないままただメジャーという理由で闇鍋というキーワードを持ち出してしまうこともある。
 
冷静に分析すれば甚だ滑稽。
だけどそれで通じてしまう。
何故なら、誰もその全容を知り尽くしていないから。
作り方も適当、レシピも気の向くまま。
素性の知れない食材でも、残飯一歩手前の食材でも、鍋に入れれば蘇る。
鍋はその無限性ゆえに極めるのが困難で、
しかしその全方位的な万能さゆえにより万人から愛されるのだ。
 
だから皆が知っているし、鍋の話を振られても答えに窮することはない。
それは僕とて同じであるから、普通に答えることが出来る。
多分、ウチではキムチ鍋を一番食っている。
これが全てである。
 
人の愛すべき鍋と、我が家の愛すべきキムチ鍋。
毎回同じ味でも仕方ないと、その辛さに更なるパンチを求めるように最近ではなった。
だから我が家のキムチ鍋は年々、日々、刻一刻と赤身を増していき、その辛味は止まるところを知らない。
だが、それがいい。
いや、だからこそそれがいい。