【朝メシ】
ヤクルト、そのまんまポテト
【夜食】
菓子各種
【イベント】
柴又散策、亀有散策、カラオケ
【所感】
昨日土曜のヒトカラ☆午前三時don’t be lateが祟ってか、かなり眠い眠い。でも「宇宙兄弟」を観るため午前七時に起床する自分は、それなりに偉い偉い。
朝のTVを観ていて思った。プリキュアやゴーバスターのED曲ではキャラがダンスを躍るんだけど、重りを付けてそのダンスを練習すれば、ダンスレパートリーが増えて今風の人間になれるばかりかダイエットにも効果的なんじゃね?と。一石二鳥でいいことだらけ。しかしキュアピースジャンケンは負けた。もう勝てる気がしない。
TV終了後は嫁と外出。本日は、寅さんの町・柴又と、両さんの街・亀有に特攻する予定を立てていた。最近とみに思うのだが、自分は近場の名所に行かなすぎる。もう少しアクティブに、かつ塗り絵をするような気軽さで周辺を網羅するのが良いと考えるわけだ。
北海道や関西、その他各地の観光地を訪れるのもいい。だがそれは”旅行”の領分だ。時間、金銭、下準備、そして疲労の蓄積と、様々なものを費やすため機会は滅多に訪れない。ならばその下、”遠征”とか”滞在”と言った部類はどうかというと、これも一定の距離と労力を伴うため頻繁に実行には移せないだろう。例を挙げるなら、日光だとか多摩だとか、そんな場所を指す。
僕が狙うのはさらに一番下、”散策”レベルの外出だ。日帰り出来て、かつその場の思い付きですぐに行動できるという外出。僕の地元を支点とするなら、西新井大師に参ったとか、靖国神社に参詣したとか、皇居に行ってきたとかのレベルだろう。今回の柴又や亀有も、まさにその領域に属する。
世界は広い、ゆえに手に届かないものも多い。だが、手近にあるものは意外と容易に手に届く。それに手を伸ばす伸ばさないは個人の自由だけど、近場に資産があるのなら、もっと有効活用してもいいのではないか。ある意味、そこに住む者の責務とも言えるのだから。
柴又は、地元から電車を乗り継いで50分程度。駅前の中央には寅さん像。周辺には昭和風な居酒屋とか土産屋が狭々と立ち並ぶ。すぐ側の柴又商店街に入れば、広くはないが狭くもない、レトロモダンというよりモダンレトロといった感じの風景が続く。混雑具合はそれほどでもない。名所ではあるが、皆がこぞって行くわけでも無さそうだ。歩行客の年齢層は、予想通り高め。ゆえに、その中に時折混じる大学生の兄ちゃんや女子中学生、そしてカメラを持った外人などは、居るだけで結構目立っていた。
要するに、のんびりした感じの商店街ということだ。一人、茶屋のおっちゃんがキャバクラの客引きのごとくすごい勢いで客に声を掛けていたのを除けば、まさしく下町昭和系と言っていい風景だろう。その商店街にあるうなぎ屋「川千屋(かわちや)」で僕等は昼食を採る。柴又はうなぎ屋も結構有名らしく、実際、そこら中にうなぎ屋が乱立していた。
中でも「川千屋」は、街のスポンサー的店舗の一つの模様。何百席もある店内は、かなりの客で賑わっていた。そこで僕等は、ビールを飲みながら3000円のうな重を食う。味はなかなか旨かった。ただ、感動するほどでもない。よくある味というか、僕はうな重に対してはあまり舌が鋭くないのだ。天丼とかなら分かるけど。というか、うな重は全部旨いので。つか、新潟実家で出されるうな重があまりに旨過ぎるから舌が機能していないかもしれない。
まあそれはさて置き、うなぎ屋ってのは価格がかなり高いよね。うなぎ不足というのも分かるが、豊潤に獲れてた頃もそうだった。そのあたりは未だ謎だが、方向性としては「川千屋」のうな重、大変満足致しました。ごちそうさまでした。
食後は、商店街の端にある柴又帝釈天へ。ここも寅さんのロケ地だとか。いずれにせよ、僕は神社仏閣というだけで涎が出るので問題ない。しかも、全体としてはそれほど広くないが、建物の中に入れば邃渓園(すいけいえん)というキレイで閑静な自然が広がっていたり、伽藍の壁や柱に様々な彫刻が施されていたり、目を見張るものが充分にあった。
特に彫刻は素晴らしい。木造の壁の全面に、十二干支や亀や竜や人間の姿が、細かく、本当に細かく彫られている。奥行きのある立体感に溢れた、本当に素敵な模様なのだ。それも、木と木をつなぎ合わせて作ったのでなく、一本の木を全部彫って作ったとのこと。あまり”神”や”天才”という言葉は使いたくないが、この彫刻の出来栄えはまさに神の為せる技であり、昔の人は紛れもなく天才。現代人には絶対に不可能だと言い切れる。機械を使っても出来るかどうか。そう思わせる芸術だった。
そんな柴又帝釈天。一言で表すなら「いいものを見た」。それは今日の散策の総評でもあった。
柴又で過ごした後は、亀有に行くため、まずは金町駅を目指して江戸川の河川敷を20~30分歩く。抜けるような青空と、静かな川の流れと、そこいらで草野球に興じる人々。その自然と下町的風景が重なった情景は、あるいはかつて自分の中にあった平和の風景そのものかもしれない。いずれにせよ、晴れの日に河川敷を歩く。これほど肉体的にも精神的にも健康なことは他にあまり無い。
あと途中、演歌で有名な「矢切の渡し」があった。パッと見は寂れた渡しだが、やはり著名なだけあって客もそれなりに存在し、なかなかの味を出していた。古びた舟に膝をすり合わせながら座る乗船客と、一本のオールで舟を操る船頭。舟は目的もなく、ただゆっくりと同じ場所を往復するだけ。その追い込まれてない感じがいい。江戸川では、その渡しから100~200m先で数台の水上バイクが豪快なしぶきを上げながら水面を激走していた。現代のテクノロジーと昭和のボロ舟という対照的な風景が同居していたあの江戸川の風景が、今でも記憶に残る…。
徒歩で金町に到着した僕等は、喫茶店でお茶をした後、次の目的地・亀有へと向かった。亀有は、「こち亀」の両さんの街というイメージが強いし、実際見てもそんな感じだ。駅前にはデカい両さん像が偉そうに突っ立っている。一応、写真を撮ってみたが、ここらの人々には珍しくもないのだろう。みんな普通に素通りする中、僕だけはしゃいでいるのはちょっとだけ恥ずかしかった。だが、駅前のバス停あたりでシンセを弾きながら尾崎豊とかの歌を延々と歌っていたストリートミュージシャンの兄ちゃんの方が本来もっと恥ずかしいはずだから、我慢したいところ。
あと、香取神社という神社があったので少し寄ってみる。亀有に来た本来の目的は、両さんではなく亀見物。目指すは亀有天神だった。しかし地図にはそんな神社など姿形も見えなくて、交番でおまわりさんに聞いても「何ですかソレ?」状態。少しして、亀が居るのは亀有じゃなくて亀戸ということに気付き、僕等が目指すべき場所は「亀戸天神」だったと判明した。道理で亀の姿が見当たらないわけだ、アホすぎる。だけど今さら帰ったところで何も得られないし。そんな流れで行き着いた「香取神社」というわけだ。
同神社は敷地も狭く、両さんの看板だけが目立つだけの普通の小さな神社。客も殆ど出入りせず閑散とした状態だった。それもそのはず。人の流れは全て、その隣にあるショッピングモール「アリオ」に吸い取られているからだ。アリオは、亀有の人間全てがここで買い物するんじゃないかと思うくらいの盛況ぶりだった。
僕等は、せめて亀有に来た記念、証が欲しいということで、皆に追随するようにアリオに入り、服屋の「H&M」で半ズボンと帽子を購入した。しかし、スウェーデンの企業だからなのか、服のサイズも長身の欧州人向けと言わんばかりに標準サイズが超ビッグ。どうみても日本人に向いてない。でもシンプルなオシャレさがそこにはあった。透き通った感じというか。人気があるのも分かる気がする。
あと、亀有駅前の駄菓子屋で、嫁が菓子をいくつか購入。店番の婆ちゃんが、白いエプロンにもんぺを着た、まさに「お婆ちゃん」という感じのお婆ちゃんで、大いに気に入ったらしい。若い客が珍しいのか、婆ちゃんもにこやかにゆっくりと色々話をしていた。まあ、あのくらいの婆ちゃんからすればみんな若造だよな。もっと年寄りを大切にしようぜ。
亀有が終わった後は北千住へ。まずは打ち上げで「月味座(つきみくら)」という和風個室ダイニングへ。「さかなさま」の通りをさらに2~3分奥へ行った場所にある。同店には以前嫁が行ったことがあり、至極気に入ったらしい。そして終わってみれば、僕も至極気に入った。
店員の教育は良いし、料理も押し並べてレベルが高い。特に「黒毛和牛ヒレ肉と旬菜の西京味噌焼き」というメニューが激烈に旨かった。これはまたすぐにでも食いたいメニュー。
後は、何と言ってもその内装か。奥に長い建物の中に入ると、カウンターの先にある個室エリアに案内されるが、その個室は、イメージでいうなら”離れ”のような感じ。決して広くはないが、窓の外にはどこぞの茶室の庭かと思わせる景色が見え、それがまた心を落ちつかせるのだ。敷地自体は狭いはずなのだが、空間の使い方が上手なのだろう。その点は見習うべき。
いずれにしても、都会の中で侘び寂びを堪能しながら飯を食える「月味座」という店を、僕は相当評価している。秋田料理の「まさき」と言い、「さかなさま」と言い、良い店が次々と出てくる北千住という土地はまだまだ広いと思った。
土曜に引き続き、大いに堪能した日曜日。これだから週末はやめられない。
【箇条書き】
・俺は寅さんのことをあまり知らない。
・でも「男はつらいよ」は面白い。
・今回出かけるにあたり、俺は半ズボンと革スニーカーと麦わら帽子というファッションに挑戦した。最初は恥ずかしかったがすぐに慣れた。
・なぜか男女問わず麦わら帽子率の高い柴又の不思議。
・柴又行き「京成金町線」の電車の車両には、「こち亀」の絵がビッシリ描かれていた。
・寅さん像に群がる観光客。
・駅前の広場に灰皿がポンと置いてあるところがさすが柴又。
・駅前で雑談するおっさん等の話によれば、すぐそこの「酒場 春」という店の”柴又ハイボール”が有名らしい。
・柴又商店街にはうなぎ屋が多い。
・歩行客は年配率多し。
・でもたまに若いのも居る。
・長身茶髪でイケメン風なのに、腹がポッコリ出てるのが残念だった兄ちゃん。
・カメラを持った外人が、老夫婦の写真を色んな角度からパシャパシャと撮ってあげていた。
・よく見たら、外人が老夫婦に「シャシントラセテクダサイ」と頼み込んだ形のようだ。アメリカに帰ってから「日本の下町風景」と称した写真展でも出すのだろうか。
・柴又帝釈天の伽藍木彫りの芸術性は異常なほどにハイレベル。
・邃渓園も心が和む。
・入場料400円取られるけど、充分に元は取れるレベル。
・庭で猿回しやってるよ、見ない?うん見ない。
・商店街でお茶と七味唐辛子販売に異常に張り切るおっちゃん。
・俺等も結局買ってしまった。
・でも「食べる七味唐辛子」はダイエットに効果大の予感。
・江戸川矢切の渡しは昭和感と放置感タップリ。
・渡しのすぐ側で、細川たかしの「矢切の渡し」を細々と歌っていたおばちゃんが居た。
・俺、つい最近まで「矢切の”渡し”」じゃなく「矢切の”私”」って思ってたんだよね。あの時は意味分かんなかったけど、今回ようやく分かった。
・舟に乗るの一人100円だけど、乗ってみる?いや乗らない。
・河川敷で草野球やる野球チームの多いこと多いこと。
・野球って人気あんだね~。
・その中に、えらくスパルタなチームが一チーム居た。
・小学生が「ちゃんと取れやゴルァ!」とか叫んでた。
・ネットとか張ってなくてこっちまで飛んでこないのかな?
・草野球レベルだから、まあまず飛んでこない。
・それを考えるとプロってやっぱりすごいよね。
・途中で寄った喫茶店で、トイレを長時間占有していた兄ちゃん。
・喫煙室でノートPCをカチャカチャやる兄ちゃんがある意味ウザイ。
・亀有駅周辺の両さん占有率は異常。
・麗子像の太ももを少し触ってみる茶目っ気。
・交番のすぐ前に麗子像があるという意味深な配置。
・バス停前のベンチに座ってる両さん像と一緒に写真を撮りたかったが、常にバスの乗客がこっちを見てるので、結局写真を撮れなかったチキンハート。
・駅前でストリートミュージシャンがシンセを弾きながらずっと歌を唄っていた。キレイな高音だった。でも全て既存曲のカバー。
・最初は尾崎豊の「I LOVE YOU」から始まり、色々と曲を変え…でも2時間後くらいに駅前に行ったらまた尾崎豊の「I LOVE YOU」に戻ってた。
・亀有天神ってありますか?いや、そんな神社は無いですねぇ。
・亀戸天神じゃん!間違えてるよアンタ。
・亀~亀~…。
・駅前に亀の像発見。
・香取神社でも亀の像発見。
・皆、香取神社をスルーしてアリオに入っていくという俗物風景。
・そこで宝くじを買う俺等も結局俗物。
・「H&M」の控え目だけどクリアなセンスに感心。
・駅前の駄菓子屋のお婆ちゃんの可愛さ。
・デカいバームクーヘンが110円という特価ぶり。
・「奥様はもう少し帽子を上に向けたらもっと可愛らしく見えると思いますよ?」とか、おだてられて調子に乗る嫁。
・しかし何で奥様って分かったのかね?一緒に居たからじゃない?
・「月味座」の予想以上の素晴らしさ。
・北千住イイネ!